2026年6月に日本でも始まったChatGPT広告。「出稿できる」ことは知られてきましたが、「実際に何が配信されているのか」を示すデータはまだほとんどありません。
「アド.com」では、ChatGPT上に配信されている広告の観測・収集を独自に行っています。本記事では、直近約1か月間(2026年9月7日〜10月6日)に観測した日本向け配信の広告約1.4万件・広告主約2,000社を集計し、「ChatGPT広告で実際に配信されている広告の傾向」を公開します。
結論サマリー
- 広告主数が最も多い業種は「法人向けサービス(BtoB)」。約560社と全体の3割近くを占め、ChatGPT広告を最も活用しているのは現状BtoB広告だった。
- クリエイティブ画像の約3分の2は「文字なし」。商品写真や企業ロゴだけのシンプルな画像が主流で、文字主体のバナー型は全体の約2割。表示される画像が小さく文字を入れると読みづらいため、訴求はテキスト枠が担い、画像には文字を入れない広告が多い。
- 広告の95%は獲得(コンバージョン)目的。ブランド認知目的は1%未満にとどまり、ほぼ全てが獲得目的の広告になっている。
調査概要
| 調査主体 | アド.com(広告分析・競合調査ツール) |
| データソース | アド.com 広告収集データベース |
| 対象 | ChatGPT上で日本向けに配信された広告 13,651件/広告主約2,000社 |
| 観測期間 | 2026年9月7日〜10月6日 |
| 集計方法 | アド.comの広告データベースに収集したChatGPT広告を、一般的な広告業種29区分に分類して集計 |
| 注意事項 | 本調査の件数はアド.comの観測ベースの数値であり、媒体公式の配信実績や広告出稿費を示すものではありません。観測期間中に確認できた広告のみを対象としています。個別の商材名・企業名は記載していません |
発見①:広告主数、CR数の最多は「法人向けサービス」
観測した広告主を業種で分けると、最も多かったのは法人向けサービス(IT・人材・マーケティング支援など)の約560社でした。広告主全体の3割近くがBtoBです。クリエイティブ数でも法人向けが2,419件(17.7%)で1位と、社数・本数の両方でBtoBがトップです。

| 業種 | 広告主数 | クリエイティブ数 |
|---|---|---|
| 法人向けサービス | 564 | 2,419 |
| ファッション | 195 | 896 |
| 教育・スクール | 136 | 653 |
| 求人・転職 | 133 | 1,209 |
| 生活サービス | 109 | 468 |
※広告主数上位5業種を抜粋。全29業種の内訳は記事最下部の表をご覧ください。
考えてみればこれは自然な結果で、例えばChatGPTに「業務効率化の方法」「経費精算のやり方」と相談しているのは、まさに仕事中のビジネスパーソン。「仕事の悩みを言葉にした瞬間」に届けられる広告枠として、BtoBとの相性は抜群です。検索広告でCPAが高騰しがちなBtoB領域にとって、新しい獲得チャネルを先行確保できるチャンスですね。
運用者向けチェックポイント:BtoB商材を扱っているなら、競合はすでに560社入っています。一方、1業種あたりで見ればまだ空白の相談シーンだらけ。自社の見込み客がChatGPTに相談しそうな「業務の悩み」を洗い出す価値があります。
発見②:クリエイティブ画像は「文字なし」が主流
次に、配信されている広告を見てみます。観測した広告からランダムに抽出した100件の画像を分析したところ、次のような内訳になりました。
| 画像のタイプ | 割合 |
|---|---|
| 文字なし(商品・人物・風景写真のみ) | 約35% |
| ロゴ・商品名程度(企業ロゴ単体、パッケージ写真など) | 約3割 |
| キャッチコピー入り(写真+1〜2行の訴求文字) | 約1割 |
| 文字主体のバナー型(価格・実績数字が主役) | 約2割 |

約3分の2が「文字なし〜ロゴ程度」のシンプルな画像で、SNS広告で定番の「文字を入れ込んだバナー」は少数派でした。
これはChatGPT広告の表示フォーマットを考えると必然です。広告は回答の下に小さなサムネイルとして表示されるため、画像の中に文字を入れてもほとんど読めません。その代わり、広告テキストは画像の外に表示されます。結果として、「訴求はテキストに任せ、画像は小さくても一目で何か分かるもの(商品写真・ロゴ)にする」という作り方が主流になっていると分析できます。
文字主体のバナー型(約2割)はBtoB・金融・通信系が中心で、既存のディスプレイ広告の流用とみられますが、小さな表示では文字がつぶれるため、このChatGPT広告では相性が悪い可能性が高いといえます。
運用者向けチェックポイント:画像を新規制作しなくても、手持ちの商品写真やロゴで出稿が成立します。選ぶ基準は「サムネイルサイズでも一目で何か分かるか」。文字入りバナーの流用は避け、勝負はタイトル・説明文のテキストと「どんな相談場面に出すか」の設計に集中しましょう。
発見③:ブランディング広告は全体の1%未満。95%が獲得目的。
配信されている広告の目的を見ると、95%が獲得(コンバージョン)目的で、ブランド認知目的の配信は全体の1%未満しかありません。
一方で、別媒体のSNS広告でよく配信されている広告の出稿が殆どありませんでした。
- ゲーム:3件。SNS広告で常に上位ジャンルのゲームが、1か月でわずか3件
- 医薬品:10件。OpenAIは個人の健康に関する会話に広告を表示しない方針を示しております。(参考:OpenAI公式ヘルプ)
- クリニック・美容医療:77件(全体の0.6%)
つまりChatGPT広告の現在の傾向は、「衝動的に目を引く」いわゆるSNS広告型ではなく、「具体的な悩み相談に応える」検索広告型に近いです。フィードをただ眺めている人ではなく、相談している人に届く枠だと考えて広告を作るのを推奨します。
運用者向けチェックポイント:別媒体のSNS広告の勝ちクリエイティブをそのまま持ち込む前提は危険です。悩み相談への答えになっている広告が刺さりやすいのでそのまま横展開するのではなく、広告閲覧するユーザーを今一度想像し、広告に落とし込んでみましょう。
全29業種の内訳
| 業種 | クリエイティブ数 | 構成比 | 広告主数 |
|---|---|---|---|
| 法人向けサービス | 2,419 | 17.7% | 564 |
| 旅行 | 2,229 | 16.3% | 55 |
| 求人・転職 | 1,209 | 8.9% | 133 |
| ファッション | 896 | 6.6% | 195 |
| 住宅・不動産 | 715 | 5.2% | 94 |
| 教育・スクール | 653 | 4.8% | 136 |
| 個人向けネットサービス・アプリ | 552 | 4.0% | 48 |
| 食品・飲料 | 527 | 3.9% | 68 |
| 化粧品・トイレタリー | 526 | 3.9% | 71 |
| 家電・PC | 480 | 3.5% | 62 |
| 生活サービス | 468 | 3.4% | 109 |
| 家具・インテリア | 381 | 2.8% | 65 |
| 自動車 | 326 | 2.4% | 58 |
| 通信・電気ガス | 291 | 2.1% | 51 |
| 金融 | 261 | 1.9% | 34 |
| 日用品・生活雑貨 | 207 | 1.5% | 39 |
| スポーツ・趣味 | 203 | 1.5% | 47 |
| 外食・グルメ | 196 | 1.4% | 10 |
| 健康食品・サプリ | 178 | 1.3% | 24 |
| 分類中 | 175 | 1.3% | 107 |
| 美容サロン・エステ | 160 | 1.2% | 12 |
| ペット | 120 | 0.9% | 29 |
| 結婚・冠婚葬祭・介護 | 111 | 0.8% | 31 |
| 保険 | 109 | 0.8% | 20 |
| エンタメ・出版 | 92 | 0.7% | 28 |
| 病院・クリニック | 77 | 0.6% | 24 |
| 子育て・ベビー | 63 | 0.5% | 21 |
| 官公庁・団体 | 14 | 0.1% | 4 |
| 医薬品・ヘルスケア用品 | 10 | 0.1% | 7 |
| ゲーム | 3 | 0.0% | 3 |
現状のChatGPT広告の考察まとめ
- 2026年6月から日本でもChatGPT広告が配信開始され、現在まで約3か月の間ですでに約2,000社が出稿している
- 現状配信が多いのはBtoB・求人・教育といった「ユーザーが悩み相談する文脈」と相性のいい業種
- 画像は文字を入れず、商品写真・ロゴだけのシンプル画像が主流。テキストで訴求を見せるのが良い。
- 既存SNS広告の横展開だけでは上手くいかない可能性あり。ChatGPT広告用に制作し直す必要がある。
ChatGPT広告の攻め方を考える第一歩は、「自社の業種で、誰が・どんな訴求で出しているか」を知ることです。ChatGPT広告の仕組みや出稿方法は、解説記事「ChatGPT広告とは?仕組みから出し方まで分かりやすく解説」をご覧ください。
自社の競合が「ChatGPT広告でどんなクリエイティブを配信しているか・どんな会話で広告が出現しているか」は、「アド.com」の広告データベースで簡単に確認できます。
「アド.com」は、35億件以上の広告データと最新のAI技術を掛け合わせ、「競合広告の調査」と「クリエイティブ制作」を同時に実現する広告リサーチ・AIツールです。他社のヒット広告を網羅的に分析することが可能で、人的コスト・時間的コストの削減に役立ちます。
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FAQ
Q1. ChatGPT広告にはどんな業種の広告が出ていますか?
A. アド.comの観測(2026年9月〜10月)では、広告主数の最多は法人向けサービス(BtoB)で約560社。次いでファッション、教育、求人と続きます。クリエイティブ数でも法人向けサービスが最多です。
Q2. ChatGPT広告に出ていない業種はありますか?
A. ゲームアプリの広告は1か月で3件とほぼ観測されていません。医薬品・クリニック系も僅少です。OpenAIは個人の健康に関する会話には広告を表示しない方針を示しています。
Q3. 何社くらいがChatGPT広告に出稿していますか?
A. アド.comが約1か月で観測した日本向け配信の広告主は約2,000社です。業種では法人向けサービス、ファッション、教育、求人などが先行しています。
Q4. 自社でChatGPT広告を始めるにはどうすればいいですか?
A. ads.openai.com の管理画面から出稿できます。仕組み・費用・設定手順は解説記事「ChatGPT広告とは?」をご覧ください。出稿前に、同業の配信状況をアド.comで確認するのがおすすめです。

