Web広告の運用において、代理店への委託から自社での運用に切り替える「広告運用のインハウス化(内製化)」。
しかし、「自社にクリエイティブ制作や運用ノウハウがない」「何から始めればいいのか分からない」と二の足を踏む担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、広告運用のインハウス化の基礎知識から、導入するメリット・デメリット、そして直面しやすい課題について画像付きで分かりやすく解説していきます。
広告運用のインハウス化(内製化)とは
広告運用のインハウス化とは、これまで運用代行業者(広告代理店など)や制作業者に外注・依存していた広告運用業務を、自社内(インハウス)だけで実行できるようにする体制のことです。
具体的には、以下のような業務を自社で完結させます。
- ・広告戦略の立案・予算管理
- ・ターゲットや配信面の設定
- ・バナーや動画などの広告クリエイティブ制作
- ・広告運用・数値分析・改善(ABテスト)

インハウス化にはメリット・デメリットがあるので、全てを完全にインハウス化するのではなく、初期設定や高度な分析のみを代理店に依頼し、日々の運用やバナー制作を自社で行う「部分的なインハウス化」を採用する企業も存在します。
インハウス化を導入する3つのメリット
1.外注コストの大幅な削減
インハウス化の1番のメリットは「コストカット」です。

広告代理店に運用代行を依頼すると、一般的に広告費の20%前後が手数料としてかかります。広告クリエイティブの制作外注費も軽視できません。
社内でCR制作から広告運用までを行えるインハウス体制が整えば、これまでかさんでいた外注コストを大きく抑え、その分の予算を広告出稿やマーケティング施策に回すことが可能になります。
例えば、広告予算が100万円の場合。
広告代理店に依頼する時は、手数料が広告予算の20%かかるので100万円分広告出稿したい場合は、100万円×1.2=120万円分の広告予算が必要になります。一方でインハウス運用の場合は、手数料は不要なので、広告予算は100万円のみになります。
予算が潤沢ではない企業にとってこの差はかなり大きいので、インハウス化のメリットと言えるでしょう。
2.社内に「勝ちパターン」のノウハウが蓄積される
広告運用を代理店に任せきりにしていると、なぜその広告が跳ねたのか、どのようなデザインが自社のターゲットに刺さるのかという知見が社内に残りません。
さらに言うと広告代理店の言いなりになってしまう危険性もあり、効果が良好な時はいいですが、悪化した時に正しく評価できないという負のサイクルに陥ってしまいます。
逆に、インハウス化をし、当たりクリエイティブや広告運用ノウハウが自社内に共有されることで、「社内の資産」として確実に蓄積していくことが可能になります。
もし将来的に広告運用周りを外部委託することになっても、知識やノウハウがある状態なので、ある程度代理店をコントロールすることが出来るでしょう。
3.PDCAサイクルの圧倒的な高速化
広告制作から運用をインハウス化することで、意思決定から実行までの時間が短縮され、PDCAサイクルを圧倒的に加速させることができます。
思いついたアイデアをその日のうちにテスト配信し、翌日には改善案を出すといったスピーディーな対応が可能になります。

一方で広告代理店を挟む場合、新しい施策の実行やクリエイティブの修正に「確認・連絡」のタイムラグが発生します。「次この施策を試したい!」と思っても実行まで1週間かかるケースもざらにあります。
Web広告業界という特に同業他社との競争が激しい市場において、PDCAの高速化は自社商品・サービスを拡大するのに不可欠といっていいでしょう。
インハウス化のデメリットと直面しやすい2つの課題
メリットが大きい一方で、インハウス化には乗り越えなければならない課題も存在します。運用現場のリアルな声とともに解説します。
1.専門的なノウハウと人的リソースの不足
インハウス化のメリットとして、社内に運用ノウハウが蓄積されることを前項で説明しました。
しかし、そもそも効果的な広告運用やクリエイティブの制作は、広告出稿媒体の仕様理解や過去の経験則に基づく専門的なノウハウが必要です。
そのため自社で始めようとしても、最初のうちはトレンドが掴めず、思うような成果が出ない時期が続く可能性があります。 また、専任の担当者を配置できない場合、他の業務との兼任となり、運用に手が回らなくなるケースも少なくありません。

つまり、広告運用のインハウス化を成功させるためには、広告運用やクリエイティブ制作のスキルを持つ専門的人材の採用が重要になります。
さらに採用して終わりではなく、その人材が退職しても支障をきたさないよう属人的な運用をするのではなく、チーム全体で知識やスキルを共有し合いながら進めていく必要があります。
2.クリエイティブの摩耗が早く、制作が追いつかない
SNS広告においては、同じ広告を配信し続けるとユーザーに飽きられる「クリエイティブの摩耗」が非常に早いです。
そのため、常に新しい種類のクリエイティブを作成して検証し続ける必要があります。 インハウスマーケターの現場からは、「デザイナー不足で、結局外注費がかさむ」「クリエイティブの制作数が追いつかず、PDCAが回らない」といった悩みが頻繁に挙がっています。
人材の確保でクリエイティブの数を担保するのも選択肢の一つですが、最近はAIの進歩が著しいので、AIでバナー広告を生成したり、動画素材を生成して制作サイクルを効率化するのも一つの手です。トレンドに敏感な広告代理店は、AIを積極的に活用して成果を出しているのが現状です。
インハウス化の導入を考えるタイミング

インハウス化は、必ずしもすべての業務を一度に切り替える必要はありません。自社の状況に応じて、適切なタイミングで段階的に移行を検討することがインハウス化成功の秘訣です。
具体的には、以下のようなサインが出た時が検討の目安となります。
1.外注費(運用手数料やCR制作費)が経営の重荷になり始めた時
広告予算が拡大するにつれて、代理店へ支払う運用手数料や、バナー・動画広告の制作外注費も比例して膨らんでいきます。
現場から「デザイナー不足で、外注費がかさむ」といった声が上がり始め、これらの外注コストを削減して「広告の配信費用そのもの」に予算を回したいと考えた時が、インハウス化を検討する大きなきっかけとなります。
2.依頼している広告代理店に不満を持ち始めた時
よくあるのが、広告代理店への不満が溜まり続けた結果、インハウス化への移行を検討したというケースです。
例えば「昔は提案が多かったのに、最近はめっきり少なくなった」「レスポンスが遅い」「成果が落ちているのに改善策が出てこない」「自社商品・サービスへの理解が浅く、的外れな施策を提案してくる」などです。
新しい広告代理店に依頼するのも選択肢の一つですが、インハウス化することで、自社内でクリエイティブ制作~広告運用まで迅速な意思決定が出来るようになるのは大きな魅力になります。
3.自社に「勝ちパターン」のノウハウを蓄積したい時
運用を広告代理店に一任していると、どのような訴求やデザインが自社商品・サービスのターゲットに最も刺さるのかというノウハウがブラックボックス化しやすくなります。
今後の事業拡大を見据え、単なる外注ではなく、自社内に確固たるマーケティングの知見やデータを「長期的な資産」として残していきたいと考えたタイミングも、インハウス化体制へ移行する絶好の機会になります。
インハウス化を成功させるためのポイント
インハウス化の最大の壁となる「人的リソースの不足」や「クリエイティブ制作の限界」を乗り越え、自社運用を成功に導くためには、以下の2つのポイントを押さえることが重要になります。
1.生成AIなどの最新ツールを活用し、制作リソースを補う
「デザイナーが足りない」「バナー制作が追いつかない」という課題を解決する手段として、近年は生成AI(画像生成や動画生成)を業務に導入する企業が急増しています。
実際に業務でAIを利用している人を対象とした調査では、多くの人が「AIを導入したことで仕事の進め方がガラッと変わった」と実感しており、「業務の効率化」や「時間短縮」といった大きなメリットを挙げています。

生成AIツールを活用することで、少人数のインハウス体制でもスピーディーに大量の広告クリエイティブを制作・検証(ABテスト)できるようになります。
2.「他社の勝ちパターン」を分析できる環境を作る
インハウス化を進めると、どうしても「自社内のアイデア」や「自社の過去データ」に視野が狭まりがちです。しかし、成果を出し続けるためには、市場のトレンドや競合他社の動向を常に把握しておく必要があります。
自社の運用データだけでなく、「競合他社が今どんなデザインの広告を出しているか」「どんな訴求軸がトレンドなのか」を客観的にリサーチ・分析できる体制(または専用の競合調査ツールなど)を導入し、他社のヒット法則を自社のノウハウとして取り入れていくことが、インハウス運用を長期的に成功させる秘訣になります。
常に成果を出している広告運用チームは、他社の当たりクリエイティブは常に把握しており、どこか参考にすることができないかアンテナを張り続けていることが殆どです。
まとめ
本記事では、広告運用のインハウス化(内製化)とは何か、インハウス化のメリットやデメリット、移行を考えるタイミングについて解説しました。
広告運用のインハウス化は、「コスト削減」や「PDCAの高速化」といった非常に強力なメリットがある一方で、「制作リソースの確保」や「ノウハウの不足」といった課題も抱えています。
インハウス化を成功させるためには、明日からいきなり全てを自社で行おうとするのではなく、まずはクリエイティブ制作(画像や動画の準備)の一部から内製化してみるなど、自社の状況に合わせて段階的に進めていきましょう。
まずは競合調査で広告のトレンドや他社のヒット広告を分析することから始めてみるのがオススメです。
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